MEEQの詳しい説明や料金プラン、各種オプションなどについて知りたい方はこちらから説明資料をご確認ください。
MEEQの詳しい説明や料金プラン、各種オプションなどについて知りたい方はこちらから説明資料をご確認ください。
インターネット投票などのデジタル化によって競馬ファンが増加している中、2023年春から新たに導入され好評を得ているのが「競走馬トラッキングシステム」です。
「競走馬トラッキングシステム」とは、競走馬のゼッケンにセンサーを取付けて、位置情報をリアルタイムに計測し、競走馬が走っている位置や、馬同士の相対的な位置関係を可視化し、リアルタイムでテレビ中継映像などに表示できるシステムです。
中継映像イメージ
引用元:https://www.jra.go.jp/news/202308/082403.html
ご参考 競走馬トラッキングシステム動画
2022年8~9月の第2回札幌競馬で実験導入され、翌年4月23日の京都競馬場場内放送を皮切りに、5月13日からは全国の競馬場・ウインズ、グリーンチャンネルでも導入、幅広いファンから「レースが見やすくなった」と支持されています。
「競走馬トラッキングシステム」は、出走各馬がゼッケンにGNSSセンサーを装着することで、緯度・経度を測位、可視化しています。このGNSS情報を送信するために採用されたのが『MEEQ
SIM』。どのような理由で選んでいただいたのか。
日本中央競馬会 総合企画部 経営企画室 主任調査役の本村宝之さんに詳しく伺いました。
日本中央競馬会 総合企画部 経営企画室 主任調査役
本村 宝之さん
本村さん:「『競走馬トラッキングシステム』は、JRA出走馬のゼッケンにセンサーを取り付けて、各馬の位置情報をRTK-GNSS方式でリアルタイムに測位、その情報を収集することで、レースの中継映像に出走馬の走行位置をオーバーレイ表示するものです。どの馬がどの位置にいるのかを分かりやすく表示しています。
レースでは馬群全体は広がって走りますので、全体を映すと各馬が小さくなる一方、各馬にフォーカスして映すと全体の位置関係が分からなくなる。そのため、『自分の応援する馬がどこにいるか分からない』というお客様が多くいらっしゃったので、これを解消するために『競走馬トラッキングシステム』で馬の位置情報を表示し、ライトファンを含めた多くのお客様に楽しんでいただけるような映像を届けたいと思っていました」
ゼッケンの両側にポケットがあり、それぞれセンサーが取り付けられている
レース映像への位置情報の表示は、海外競馬では日本に先駆けて行われていました。JRA様でも、「競走馬トラッキングシステム」の構想自体は10年以上前からあり、競走データを取得することを目的として検討してきたとのことです。
そうした中、リアルタイム表示に必要な精度の実現方法、センサーの軽量化、取り付け方などを様々な試行錯誤を2022年までの実証実験で繰り返してきた、とも話してくださいました。
本村さん:「例えばゼッケンのポケットに取り付けられるセンサーは、アンテナ、バッテリーも含め100g程度に抑えられるなど、近年の技術進歩による軽量化が進んだことで、競走馬トラッキングシステムを実現できました。現在は2競馬場で同時実施しており、今年の夏以降は全3場で同時実施できるよう準備を進めております」
センサー本体(富士通株式会社製)
競馬場ではディスプレイに投影されている
MEEQ導入事例集はこちら
当初のシステムは競走馬一頭につき一つのセンサーを装着しデータをアップロードしていましたが、お客様が多く来場された際の通信安定性を考慮し、センサーを二つに増やし異なるキャリアのSIMを搭載したとのことです。その際に、複数キャリアのSIMを同一の閉域ネットワークで扱えかつリーズナブルな『MEEQ SIM』を試すことにしたと言います。
本村さん:「開発の上で重要だったのは、インターネットを経由しない、閉域回線の提供でした。トラッキングシステムでは、センサーからサーバーにデータがアップロードされる通信遅延を一定以下にすることが必要です。閉域ではないインターネットへ出てからサーバーにルーティングされる、一般的なキャリアSIMはどうしても遅延が大きくなります。
『MEEQ 閉域』サービスでは、インターネットに出ることなく、MEEQのコア網で折り返される通信を提供しており、低遅延の通信が実現でき、トラッキングシステムをリアルタイムで実現することができました」
このように、複数キャリアが使え利便性高く、閉域による低遅延/高セキュリティ・リーズナブルな通信コストのサービスは競走馬トラッキングシステムにフィットしていました。
管理室の様子
異なるキャリアのSIMを同一の閉域ネットワークで扱えるため、キャリア毎、別々にシステムを構築する必要がなく、シンプルかつ安定したシステムにできることを評価いただきました。
また、複数キャリアのSIMを自由に選択して利用できるため、現在は競馬場毎に最適なキャリアで運用しているとのことです。
2023年10月の天皇賞・秋競走では約7万7,000人のお客様がご来場されました。
本村さん:「8万人近いご来場のある状況は、トラッキングシステムにとって初めての状況でしたが、それまで実証実験を繰り返し、MEEQによる複数キャリアSIM・閉域ネットワークの利用を含めて全体的にシステムを改善していくことで、安心して多くのお客様をお迎えすることができるようになりました」
「競走馬トラッキングシステム」の導入によって、競走各馬の位置情報や速度など、新たな競走データを取得できるようになりました。これを競走馬の研究に活かしていくなど、レース映像以外での活用方法も模索されていると、最後に本村さんは展望についても話してくださいました。
本村さん:「たとえば馬の歩幅(1完歩の大きさ)と速度の相関性、2,000mを何歩で走ったかなど、様々な競走馬の能力に関する基礎データを取得できます。このトラッキングシステムから提供されるデータを分析することで、馬の強さを知り、より強い馬が生産、育成され、より高レベルでエキサイティングなレースを実現できるのではないか、と今後の様々な可能性にワクワクしています」
MEEQは、トラッキングシステムへの安定かつ低遅延なモバイル閉域通信サービスの提供を通じて、ファンサービスを含むさまざまな事業におけるデータ取得、可視化、データ活用などのIoT化に貢献していきます。
MEEQ導入事例集はこちら
プロジェクト担当者部署・役職:
日本中央競馬会 総合企画部 経営企画室 主任調査役 本村 宝之さん
ウェブサイト:https://www.jra.go.jp/